【舞台感想】ENG「山茶花」(ネタバレ含)
6/9の13時回、東京池袋シアターグリーンにて観てきました!
感想ですが思ったことそのまんま書きます!
私は「しっかり考察するぞ!」とか意気込んで観てないので、記憶違いなところがあったらすみません。
ネタバレすっから読みたくない人は読んじゃダメですよ!
ダメ出しも書きますからね!
主人公は玃(やまこ/玃猿)の青年サンサカ。
玃の争いに勝利して、義弟2人と共に人に扮し嫁探しに人間界へ。そんな中、人間の娘つばきと出会う。
妖怪でありながら人間を装っていた玃の心の変化と葛藤、各々の執着や恋模様が盛り込まれています。
話自体は、何言いたいかだいたい伝わるので混乱は少なかったです(当然ではあるけど、創作する側としては意外と難しい)(と思う)
悲恋と聞いていたので「恋愛ものか〜!のめり込めるかな〜」とか個人的な好みの問題もありましたが、その辺はあまり気にせず楽しめました。
基本は真面目な話でありながら、結構ギャグは多め。自分たちは人間だと言い張る玃たちの滑稽な姿、日常的遣り取りや、何とか危険を回避しようとしたり奮闘する人物の姿もコミカルに表しています。
特に中弛みもなく、笑いどころもある分、見やすいのではないかと。
登場人物のひとりひとりはキャラが立っててわりと好き。
でも人物ほぼ全員がそれなりの設定持ちで、人物像に厚みを持たせるのと同時に「とっ散らかってんな」という印象でした。
玃のサンサカ(と弟のヒゴ、シシ)が当然主軸ではあるのですが、
ヒロインのつばきは親もいなくなって、残る肉親は兄ひとり。
永楽院にいた芸人侘助は、実は6年前からいなくなってたという、つばきの兄。帰りたいのはやまやまだが、命を惜しみ脱出できずにいた。
永楽院の藤屋源兵衛は、母に置いていかれて、未だに母の残した着物を抱きしめひとり泣く。「孤独の間」から聞こえる謎の泣き声は彼のもの。
三國は永楽院に連れてこられたが、源兵衛を恐れるあまり話すことができなくなっている。しかしヒゴの名を呼んだことを皮切りに、再び言葉を話すようになる。
千里は源兵衛を長く慕っているが見向きもされずも仕え続け、最期まで彼の側にいた。
山賊の羅漢は仲間のアカシを好いているが、アカシはつばきに庇われた際に惚れ、つばきは自分を助けてくれたサンサカを慕う。
サンサカは父親が母親と離れることができずに故郷の里を捨て、玃の里が寒い寒い今の里へと追われることになった経歴によって「サンサカは呪われている」と言われ…………
ギエエエエエエイッッッ!!!(筆折り)
もうちょっとシンプルになりませんでしたか!?
設定もりもりの人物多すぎて、メインディッシュの印象が薄くなってる!!
ひとりひとりにきちんと物語がある、というのはいいのです。
いいのですが、あの人もこの人も……みたいなのが続くと「で?」ってなってしまって。
各々の設定がどこかで物語の要点に結び付くとか、そういうのでもない。
サンサカがやけにハブられてるので「これは深刻な理由があるのでは?」「まぁ親父さんいないからなんとなく察するけど」と思いつつ、実際の理由が判明すると
「アッ、はい」
ってなってしまった。
あらすじ読んだうえで親父さんの姿が無けりゃ、そりゃそうだってなるわ。しかしサンサカが「呪われてる」とかいう理由になるのかあれ。
山賊一味はなんで「やまこ団」って名前なんだろう。「やまこ団」って名乗ってる方が玃みたい。
羅漢ってそういや元は武家の娘だっけ。本名が「はつね」かな、ひらがなでいいのかな。羅漢は女性なのに側室じゃないんだなーとか。
ウィキペディアで見ると、羅漢って名前は「仏教において、尊敬や施しを受けるに相応しい聖者のこと」らしい。聖者なのか、山賊だけど。
アカシもどっかから連れてこられたんだっけ……?(もう記憶が怪しい)
アカシの名前は羅漢に沿って考えると「アカシック」からかな。「虚空」「空間」「天空」って意味だそうな。
(実際は全然関係なかったらごめんなさい)
※6/11追記
ツイッターで他の方の感想を見ていると、どうやら人物の名前は花の品種がネタ説が有力。
侘助、光源氏(源兵衛)、明石潟(アカシ)、羅漢椿、初音、白玉(しらたま)、笑顔、孔雀椿(孔雀坊)という品種が見つかりました。そもそも永楽院も「永楽」という品種からきているのかな。
紅鶴と千里は桜でいいのかなぁ。曙(おひの)は椿も桜もあった。
しかし三國、音羽は何だろう。まだわかってない。謎は深まった。
それはさておき、今回の恋模様を改めて相関図化し整理してみました。
ちょっと恋愛矢印多いデース!
東海テレビの昼ドラどころじゃねーぞ!(ローカルネタ)
言いすぎた。矢印は多いけどドロドロはしてない。
しかし2時間半で人物相関図がえらこっちゃですよ。
内容は伝わるので混乱こそしなくても、最終的に玃3人とも容赦なくグッバイENDなので大半の人が報われてない地獄絵図と化します。
悲恋とは聞いてたが、まさかのほぼ全員悲恋かーい!!!
せめて焦点が玃兄弟へ向くようにされていれば、と。
玃兄弟以外も設定多いんです。カツ丼注文して一緒にローストビーフ丼運ばれてきたみたいな気分。
設定が散らかってて誰に感情移入したらいいのか分からなくて、迷子になってる間に終わってました。
ヒゴと三國はわかりやすくて、一番応援できる二人でした。
何と言いますか
詰めが甘いのに話を深くしようとした結果、浅くなった感。
アクションがたくさんあって、それはどれも素晴らしかったです。
しかし「こんなことがありました!」「アクションだ!」「こんなことがありました!」「アクションだ!」「アクションだ!」「まだまだアクションだ!」「実はこんなこともあったんだぞ!」「もういっちょアクション!」って感じで、話の流れにメリハリがない。確かに中弛みは無いけど、ハプニングとアクションが……多くて……
今日もドッタンバッタン大騒ぎ!!(物理)
っていうかあんだけ派手なアクションなのに舞台が狭いし、セットの段差が多くて事故らないかヒヤヒヤしました。
もったいないな。キャパの都合上、仕方ないとはいえ。
この作品の一番見せたかった場面ってどこなんだろう。やっぱ最後?
話も悪くなくて、キャラも立ってて、アクション格好良くて、そこまで来てるのに纏まってない。
削っても良かったのでは、と思う部分や人物が多々。
これが2時間半の舞台とかじゃなく、小説とかマンガとかで、じっくり時間や手間をかけて説得力を備えていれば、余計とは思わないかもしれない。
私にとっては、です。
孔雀坊が茶奴と旧知らしいですが、孔雀坊はどういう経緯でゆき殺人現場に居たんだろう。偶然居合わせたということでいいのか。
じゃあ何故「ゆきを殺したのは玃だ」と玃のせいにしたんだろう。通り魔にやられたとかじゃダメだった?
この辺の説明ってありましたっけ。教えてエロい人。
ラストは玃たちとの別れの叫びで終わるんですけど、なんだか尻切れトンボに感じてしまい、ラストはもっとラストらしく締めてほしかったのが正直な感想。
加えて、私にはヒロインである「つばき」の魅力がいまいち伝わらなかった。
源兵衛を始めとした敵に対する強気な態度、サンサカたちを庇い嫁入りを決める姿、自害すら厭わないなど、強さは見えます。それと若が音羽をポイして惚れるくらいの美少女。
では、サンサカは彼女の強さ(と顔)だけを見て「一緒にいたい」と思ったのか。多分違う。
多分違うけど、あと思いつくのは笑顔を見せてくれたとか、それくらい。吊り橋効果なのではと穿った見方で申し訳ない。
アカシがつばきに惚れたのはあるかもしれん、分かる、しかしサンサカは彼女のどこに惚れたのか。教えてエロい人。
私がラブストーリーに疎いので分かってないのかもしれないです。
他に私が個人的に気にしてる部分の話ですけど、冒頭で指輪にいちいちキュピーン!のSEついてて「ンン〜〜〜???」ってなりました。
キュピーン!てなんか安っぽいギャグに感じてしまうんですよね。他のシリアスな舞台で使用されてる時も思いましたが。
それに、指輪呑んだ時のSEが何を表現してるのか分からなかったです。体がメキメキいってたの?
あと私が耳の穴詰まってたならすみません。
冒頭の長老の台詞が最初何言ってるのかよくわかりませんでした。
というかあの加工要るんですかね…?
それからしらたま!!!!
岡本さん起用でありながら……見せ所少ないのが個人的に寂しく…!!!
男性演じる老婆だし、てっきりもっとギャグ枠かと思っていたが別にそんなことはなかったぜ!!!(ソードマスターヤマト最終回の表情)
一言で済ませるなら、私には合わなかった。それだけのことです。
ここまで文句多めでお届けしてまいりました。
いい点について話そう。
オープニング。
女性陣があの衣装で踊るのすごい。そもそも衣装がみんないい。
アクション。
格好いい、しゅごい、見て。とんでる。
源兵衛。
かおがきれい。
孔雀坊。
おっぱいとか可愛い坊さんだなと思ったら黒幕実質おめーじゃねーかクッソー!!!(褒めてる)
三國。
私的可愛いオブ可愛い。
でも長い間黙ってたわりにすんなり喋りよったね。
茶奴。
動く、動く、やばい、やべぇクレイジーお侍さんじゃん。
侘助。
キャラ的にとても好きだった。
「あいつ(サンサカ)ならいいよ」と言ってるとこは最高にお兄ちゃん。
一番笑わせてもらった。
おわり!
矛盾点とか間違いとかあったら誰か教えて!!!