食う寝るところに生きるとこ

推しを追いかけるのに忙しい人です

ちょっとだけ推し絶ちをしたら元気になった話

昨年、「二次元オタクが推し俳優に出会い5年経過して落ち着いた話」という記事を書きました。

 

okome-oic777.hateblo.jp

 

読んでくださったフォロワーさんやフォロー外の方からも感想をいただき、似たような葛藤をしている人は他にもいるんだなと分かりました。

 

今回は完全に余談ですが、該当記事でこのように書いています。

2016年にはこれも落ち着いたんですが、2013~2015年はとにかく、推しが出ているものは全て見なければ、という謎の強迫観念がありました。
もちろん「見たい」という純粋な気持ちが一番で、その次にあったのが「好きなんだから見なければいけない」でした。

 

でもお金は有限だし、所得を増やすために仕事をするにしても体だって限界がある。
楽しむものに対して義務感を持ってはいけない。
義務感を抱くと疲れる。


これらの苦しみから「どうやって決別するかは意識しておらず、ある日ふと、やめようって思っただけです。」と書きました。

 

では、どうして「やめよう」って思うに至ったのか、振り返ってみました。

タイトルの通り、推し絶ちをしてました。

 

全部追う必要はない

 私はオタクです。とあるマンガを愛してやまないオタクでした。
オタクと一口で申しましてもいろいろ愛情の形はありますが、私は「一度好きになったら冷めにくい」タイプで、惚れたら年単位は当たり前です。

基本的には好きなものは追加されていく形で、その時の大本命に熱中し、魂と金を注ぎ、集められるものは集める、という感じです。

好きなマンガは原作は当然全巻所有、キャラクターブックに画集、派生の冊子はだいたい買ってしました。アニメは毎週録画して、行けそうなイベントなら西へ東へと新幹線に乗り、近場のイベントには当然駆けつけていました。


チェックできるものは全て

行けるなら全て

金が出せるなら全て


今まで二次元に使っていたその感覚を、東京に住む人間である推しにまで適用しているのだと気付いたのが2016年でした。


推しキャラのブロマイド全種類コンプリートしなければならない、愛ゆえに。
推しの出演舞台をコンプリートしなければならない、愛ゆえに。


これを同じ感覚で捉えていたのです。


推しキャラがアニメで動いてるこのシーンをよく観察しなくてはならない。
推しが出ている舞台でのこのシーンをよく観察しなければならない。


二次元のキャラはアニメで自宅のテレビで見られるけど、三次元の舞台役者は現地の劇場まで行かないと見られないじゃない(※円盤化はまた話が別だ)

 

三次元でこの世に生きてるんだから

舞台というなまものなんだから

己の眼でしかと見るべきだ

 

そんな風に考えていた私。こんなことは誰も言ってないのに、己が勝手にそう思い込んでいました。怖いね。他人に強要こそしませんでしたが、自分のオタク的行動としては極めて真っ当だと信じていました。

 

私はマンガも現在進行形で好きですし、他にも好きなゲームだってあったりします。友達もいるので、交際費というのもかかります。推しだけに金を注いでいるわけじゃないんです、一応。

 そりゃ無理が生じるよ。ほぼ毎月新幹線乗らなきゃだもん。チケット代グッズ代も万単位だもん。 

(※東京大阪の出演を主とする役者を応援しようと決めたのは自分なので、苦しみはしたものの後悔は一切していません)

全てを見るのは、金銭的にもそうですが日程のやりくりも必要です。

舞台の出演予定は何ヶ月も前に出るので殆どどうにかなるのですが、時期的に恒例となっている予定なんかはそれより先に決まっています。

 

最推しとは言え、他の趣味も楽しみたい。贅沢を言うようですが、そういうものなのです。

これは自分の気持ちの問題なので、取捨選択するのは自分です。自分で決めなければならないからこその葛藤があります。

東京に別の舞台を観に行く予定がある(チケット取った)前の週に、推し出演の東京公演が入ったり。 仕事が繁忙期で休みが取れるか分からず、チケットが取れなかったり(そして良席が無くなる)

 

あとは、まぁ他にもいろいろ有りました。私が1人でぐちゃぐちゃになってました。意味不明な闘争心(???)、もっと観なければという義務感。

「ここでこれを我慢すれば新幹線に乗って舞台に行ける」と交遊を後回しにして、舞台以外で友人と会う機会もどんどん減りました。

 

ある時、推しの劇団公演が終わって、次の客演が控えており、そのチケットを取るか悩んでいました。

他の予定との兼ね合い、お金。いつものシンキングタイム。

 

二次元への帰省

ところで、私は別の趣味として絵を描いています。絵は好きですが、仕事は全然絵と関係ありません。 美大にも専門学校にも行ってない上に努力不足霊長類なので、本当に下手の横好きでやっています。

 

一時期、「自分の絵はなんて価値がないゴミなんだ!」と猛烈に不貞腐れていました。悩んでばっかだな、何なんだ私は。

そんなささくれた自分に、液晶タブレットを買い与えたのです、

「液タブなんてしゅごいものを買ってしまったな!!!!」と1人で湧き立つ私。温度差でグッピーが死んでしまう。

単純生物は絵を描くのが突然楽しくなりました。

 

 

液タブは、チケットを取るかパソコンの前で悩む私の目の前に有ります。

そこで思いました。

 

「やめよう」

 

「推し摂取を一旦休んで、落ち着こう」 

「博物館や美術館にでも出掛けて、マンガや小説でも読んで過ごそう」 

「最近あまり会えてない友達と遊ぼう」 

「せっかく液タブなんて高価なもの買ったんだから、たくさん絵を描こう。でなきゃ宝の持ち腐れだ」

 

私は三次元から、元いた二次元の世界に帰りました。

 

マンガにアニメにゲーム、聖地巡礼にイベント参加。リア友や、好きなマンガが同じで知り合った友人たちと遊びました。隙あらば液タブで絵を描き、楽しかった気持ちを思い出しました。

最初こそ「推しが出てるのに以下略」とも思っていましたが、3ヶ月ほど経ったら何も感じなくなりました。

推しの本名とあだ名(数種)と出演作名で検索して推しがいる写真をネットの海から探し当てる行為も、この時にやめました。

 

それから数ヶ月後

推しの出演がありました。推し以外にも好きな役者さん、面白い脚本、素敵な舞台美術が揃う、行くしかない。

タイミングとしては 金銭的にちょっとアレでしたが、金を絞り出して行きました。

8ヶ月ぶり見た推しは、初っ端から鼻の形が綺麗でした(困惑の末の感想)

最後は、鋼の涙腺を持つ私ですら泣きそうでした。素晴らしいストーリーに推しの名演技が合わさったら、そりゃ仕方ない。いい作品だった。

 

面会の時間になりました。久しぶりに生推しの顔面を近くで見られるので緊張しました。サインが欲しくてパンフとマッキーペンを手に、しばらく劇場内をうろうろ。
初めて会った時よりは大丈夫ですが、なんでだろう、なかなか行けませんでした。それでも意を決して並び、パンフにマッキーペンを挟んで待ちました。


推し「おっ!」

あ、もうこの反応で尊い(推しに盲目2017開幕)

ワイ「どうもお久しぶりですサインください」
推し「久しぶりじゃな~い?最後来てたの結構前だよね」
ワイ「8ヶ月かなぁ~」
推し「そんなにか~!」

そんなにだったんだよ~自分で数えてちょっとびっくりしたね~(笑顔)

あまりに嬉しくてへらへらしながら(当社比)感想をお伝えしたんですが、もしかして過去最高に熱烈にしっかり感想を言ったんじゃないかと思います。
ブログではしっかり感想を書いていたり、観劇仲間との語らいでは喋ったりするけど、役者本人にあれだけ言ったのは他に無かった。

素晴らしい作品と、素晴らしい推しの感想はたくさんあった。私にしては珍しく、ポジティブな感想しかなかったんです。

 

だって、もうさ、推しの演技が、台詞の叫びが、表情が胸を打ってきて、ほんま泣きそうになってだな。

そういうシーンなんだけどさ、私感動のシーンでは絶対に感動しないとか変な頑固さがあるんだけど、ボディブロー食らったっていうか。


「ああああぁ~~~~推し~~~~~~くそ~~thank you~~!!!!!(SUKI)」

 

ってなりました(語彙力3/100点)


私のアホな感想にもうんうん頷いてくれるし返事してくれる推しマジ推し(ボキャ貧地獄)
思えば、最初の面会でも頭悪い感想しか言ってねぇのに、しっかり頷いて言葉のキャッチボールをしてくれたんでした。
 

推し「このまま夜も観るの?」

ワイ「や、帰ります。来て良かったです、ありがとうございました!」

推し「そっかぁ~。どうもありがとうね!」

 

いやもうほんと、素晴らしい演技まで見た上に、その笑顔が見られるなんて本当に、本当に贅沢の極み。

 

ありがとう

 

なお、喋るのが嬉しすぎて写真撮り忘れました。写真撮るのが恒例だったのに完全に忘れてました。それくらい感想に熱が入ってた。

 

私が出した結論

「義務感を抱くと疲れる」と気付くまで時間がかかりました。
ハマりたてだと自分が見たいという欲がどうしても強くて、自覚せずに無理してしまうもんですな。

でもよく考えれば、私(の稼ぎ)が追い付けてないほど、推しはコンスタントに舞台に出ていたということですよ。ファンとして嬉しいことです。冷静になった脳味噌で今更こうして言葉にしますけど。あの時のささくれ具合は本当に何だったんだ。

最初の内なんか特に、ほぼ全作追いかけるのに加えて、回数も重ねてガンガン観察しなければ、みたいなお前は何と戦っているんだ状態

 

「ある日ふと、やめようって思った」と書いてますが、あの時の私は他の好きなことに目を向けたんでした。
液晶タブレットなんて魅力的なものに出会ったもんだから、たまたま絵を描く方に意識が向いて、ちょっと冷静になる時期ができた。
回数減らそうっていう自分への提案も、冷静な自分が居なければできなかった。

観に行く回数減らしてしまっても、歯軋りしながら推しウォッチングしてる(ホラー)より、今の健やかメンタルでゲラゲラ笑って観られる方が圧倒的に楽しいです。

 

前に観劇感想用ブログなんか書いたりしてたんですが、その私のブログ、もう、貴様何様俺様って感じ凄くて。
読書感想文書けない人間が捻じれた感情引っ提げて超必死になって書いた結果がkonozamaっていうか。

感想文がkonozamaなのは今でも変わってないけど、観方はだいぶマイルドになったよ。ほんとだよ。

 

先日も推しの出演作を見てきました。
相変わらずの存在感。さす推し。観に行って良かった。余談ですが衣装が私の萌えツボをトリプルコンボで突いてきてアカンかった。
プレボに紙袋と手紙突っ込んで帰ってきました。

 

今回のお手紙、10分くらいの豪速で書けたんですよ。速くない?過去最速。 ちょっと前まで半日かかってたんだけど。

思ったことそのままズババババンババンバンバンって書いた。

フリクションで書いたので夏になったら酷暑で文字消えててくれないかなァっていう淡い期待はしています(ファンレターとは)

 

 

 

推しへ


また近いうちに舞台観に行くので頑張ってください。

 

しがないファンより